最初に結論ですが、レオとダルトンが2026年度に出口を見つける、すなわちファンドとしての役割を達成するのであれば、実績BPS(一株当たり純資産)4118円×1.1=4530円あたりで北尾さんが買収する方向で決まるのではないかと予想。

価格はざっくりと決まりそう
レオやダルトンや他の株主側での話し合いが始まっているだろうとは思いますが、2025年は特定放送持ち株会社を返上後、SBIが公開買付を行う展開を予想しています。
現金化可能な不動産や証券などを考慮すると「PBR1.2倍あたりでどうですか?」みたいな交渉が始まり、「いやいや、通常の買収であればPBR1倍でしょう。」「なら間を取ってPBR1.1倍で」みたいな感じでざっくりと決まるのではないでしょうか。
主体別の投資行動を予想
株式会社レオ
平均買いコストが2800円前後であったとしても、2026年度中に投下資金が1.6倍になるのであれば納得できるでしょう。
堀江さん
北尾さんが取締役となりお目付け役を、堀江さんが執行役となりメディア事業を1~2年かけて形に仕上げるのではないでしょうか。下記のYoutubeチャンネルでもホリエモンが取締役候補を集めていると話しています。こんなにヒントを出してもいいの?
まったく話題には出てきませんが、ABEMAを有するサイバーエージェントと組めばネットとリアルが融合された大広告代理店が出来上がります。共同事業などはあるかもしれませんね。
SBI北尾さん
北尾さん側も持ち株を11%近く得ることによって、メディアに対しても力を持てるようになります。個人的な思いについては最初の記事に述べられていますが、言葉よりも実際の算盤の部分で考えてみましょう。北尾さんは不動産売却にてある程度の資金を回収したり、堀江さんの事業展開によって株価の向上を狙うことができます。
現フジテレビ経営陣
今年の株主総会は6月25日であるため、株主提案を行う期限は株主総会8週間前となります。フジテレビ経営陣は何か買収防衛策を考えていないかどうかが気になるところです。ただ、株主代表訴訟を起こされているため、説得力のある防衛策が提示できるのでしょうか。そもそも40年近く取締役を置いていた時点で社外取締役も機能していないように感じます。
株主
堀江さんは政策保有株を売却するとしているため、返す刀でフジメディアHDの株も売られる展開が考えられます。市場で売却されると、株主としてはダメージを食らうかもしれません。またフジテレビ経営陣がまさかの第三者割当増資とか買収防衛策に動いた場合、株主はダメージを食らうでしょう。
ホリエモンのアイディアは外を向いていて面白い
堀江さんが話していましたが、遊休地となっているお台場周辺でのF1開催やカジノ計画は面白い気がしています。私は大阪に住んでいて近々カジノも予定されていますが、結局は一番中心となるところに情報や人物金が集まることになるので、東京との経済格差はさらに広がる気がしています。
先日の広末涼子が出ていたビーチボーイズもフジテレビの月9(月曜日九時)のドラマでした。脚本は少し今風にアレンジするとしても今の役者さんでリメイクされたら幅広い層が見るでしょう。
リアルバリューや討論番組も企画はそのままでテレビでもできそうですよね。そもそも企画としても面白い。
北尾さん&外資側の取締役案がでていました。
4月15日(火)夜に取締役案がでていました。なるほど、堀江さんを名簿に載せないことにより、他のステークホルダーにおいて、北尾さん&外資側の陣営に投票しやすくしたというわけですね。ドコモとか外資系企業に信任されやすそうです。

ちなみに取締役案がいくつか出てきた場合、株主の投票で決まります。過半数を取得し、さらに得票の多いものから順番に決まります。注目すべきは2番目の北谷さん。本当に華麗な経歴ですが、海外のスポーツやコンサートを取り込んで、フジメディアの新しいサブスクリプションを構築してくれるでしょう。6番目の坂野さんも元フジテレビアナウンサーということで内部事情に詳しく、この人に今回の問題の解決策を練っていただければ本質的な解決につなげることができそうです。
6番目にダルトンの創業者が来ており外資の望む展開もばっちり。8番目の福田淳さんも周りに惑わされず正しい提案ができる実務家として魅力的。「のん」さんをプロデュースされたそうです。
執行役と監査役をバランスよくそろえ内部での牽制が効きやすい布陣をそろえてきました、素晴らしい顔ぶれではないでしょうか。また北尾さんの会見時には何らかのサプライズ発表があるかもしれませんね。
氏名 | 主な経歴 |
---|---|
北尾 吉孝 | SBIホールディングス 会長兼社長 |
北谷 賢司 | DAZNジャパン・インベストメント チェアマン |
岡村 宏太郎 | 元JPモルガン・チェース銀行 在日代表 |
堤 伸輔 | 新潮社の雑誌 元編集長 |
坂野 尚子 | 元フジテレビ アナウンサー |
ジェイミー・ローゼンワルド | ダルトン・インベストメンツ 共同創業者 |
菊岡 稔 | 元ジャパンディスプレイ 社長 |
福田 淳 | スタートエンターテイメント 社長 |
松島 恵美 | 弁護士 |
近藤 太香巳 | ネクシーズグループ 社長 |
田中 渓 | アルファ・アドバイザリー 日本不動産投資責任者 |
西田 真澄 | ダルトン・インベストメンツ パートナー |
最後に
次は個人株主票の受け皿となる堀江さんグループから、取締役候補について来週あたりに発表があるのではないでしょうか。俄然面白くなってきました。株主総会に参加したいけど、東京ドームとか借り切ってくれないと人がたくさん集まって入れなさそうです。
後は確かフジテレビの取締役の総数が18人で北尾さん側は12人を出してきました。過半数が必要とは言え残り6人に堀江さんは入ることができるのでしょうか。特に北尾さんの人選や提案はNoとする理由が見当たりません。フジテレビを舞台としたリアルドラマの続きが気になります。
補足:具体的買収手続き
認定放送持株会社制度(放送法第116条以降)においては、「放送局の経営の安定・効率化」を目的としつつも、マスメディア集中排除原則とのバランスのために出資・支配に厳しい制限が課されています。そのため、例えばフジ・メディア・ホールディングス(FMH)のような認定放送持株会社を買収するには、通常の上場企業買収と異なる法的・制度的なハードルがあります。
■課題:認定放送持株会社の制限
外資規制(放送法75条):外国法人・外国人の議決権比率が20%以上になると、放送局免許の取り消し対象。
議決権比率の上限:原則、一の者の議決権比率は33.3%以下(放送法116条6項、同法施行規則)。
特別な役員構成や事業内容に対しても総務大臣の認定が必要。
■企業買収を可能にするためのアプローチ(実務的選択肢)
【1】段階的な持ち株比率の取得(上限33%まで)
一気に過半数を取ることは不可。まずは最大33.3%未満まで出資。
それでも経営関与を狙う場合は、株主提案権の活用や取締役選任での交渉が必要。
【2】認定の返上 → 一般持株会社へ移行
「認定放送持株会社」の資格を自主返上させることで、持株比率の制限を解除可能。
例:放送子会社を分離・売却、または放送免許返上。
ただし、グループ内にテレビ局がある限りは返上不可。
【3】放送子会社を別法人に分割 → 本体を買収
FMH本体などの認定会社を事業再編(会社分割・吸収分割など)して、放送持株資格を外す。
放送免許を別会社に切り離し、非放送事業だけを買収可能にするスキーム。
【4】議決権のない株式 or 間接保有で影響力行使
放送法上、議決権のある株式が制限対象。よって、議決権なし優先株の取得などで資金・人材を提供し、影響力を行使する。
あるいはファンドを通じた間接保有での影響行使(→実質的支配と見なされればリスク)。
■具体的に必要な準備と交渉
- 法的調査 認定放送持株会社の現状、免許保持の状況、出資比率の現状
- 総務省との折衝 買収後のグループ構成について事前に相談。必要に応じて認定の変更申請。
- 企業再編スキームの設計 吸収分割、株式交換、会社清算などによる放送免許分離
- 株主説得と合意形成 TOB(株式公開買付け)での説明や、主要株主との調整
- メディア政策対応 世論・政治的反発への広報戦略も検討すべき(特に地上波の場合)
■まとめ
【1】を経由して、【2】か【3】のどちらかになりそうですね。ただ考えてみると、[3]は総務省など利害関係者が多く審査に時間がかかりそうです。そのため自主的に行える[2]が最善策ではないでしょうか。