ダルトンインベストメンツから取締役候補者の提案が出てきました(4月16日)

投資

ダルトンインベストメンツからの取締役選任案が出てきました。ぜひ読んで見ることをおすすめしますが忙しい方のために要約となります。ここまでは、フジメディアのお話を丹念に調べている人にとっては予想の範囲内であったでしょう。

フジ・メディア・ホールディングスに対する株主提案について
ダルトンの関連会社であるライジング・サン・マネジメントは、フジ・メディア・ホールディングスに対し、来る6月開催予定の定時株主総会において株主提案権を行使する書面を発送いたしました。

ダルトンインベストメンツの主張

提案の背景には、フジテレビの視聴率低迷と長期にわたる「日枝体制」によるガバナンスの機能不全があり、現在の経営体制では抜本的な改革が難しいと指摘しています。従って、提案者は以下の4つの改革課題を提示し、それに即した人材を取締役として推薦しています。

  • ガバナンス改革
     経営の中枢に依然として旧体制の人材が残る現状を問題視し、外部の有能な人材を取締役に迎えることで、透明性と説明責任を重視した経営を目指します。
  • 不動産事業のスピンオフ
     認定放送持株会社の制約のもとで、放送と関係のない不動産事業を継続するのは非効率であり、速やかな分離と独立上場が必要とされています。不動産がメディア事業の赤字体質を隠しているという構造的問題にも言及。
  • 政策保有株式の解消
     持ち合い株による経営安定化の弊害として、外部株主の影響力が薄まり、資本効率が著しく低下。3000億円にのぼる政策保有株式の売却を通じて、資金の有効活用と株主への還元を図るとしています。
  • フジテレビのメディア事業改革
     コンテンツ制作力の強化を最重要課題とし、有能な人材の登用、若手の育成、制作会社との共創関係構築、地方局との連携などを掲げています。収益面では、広告依存から脱却し、SVODとの連携・FODの抜本的改革、国際展開を通じて多角的収益モデルへの転換を目指します。

これらの改革に必要な多様な専門性と経験を持つ12名の候補者を社外取締役として選任することで、フジ・メディア・ホールディングスの企業価値向上と長期的な成長を目指す提案です。

新たに分かったこと:税制適格スピンオフを利用すること

税制適格スピンオフという用語が出てきました。これは、日本企業が事業再編を行う際に、税負担を発生させずに子会社の株式を分離・配布できる制度です。以下に仕組みとポイントを詳しく説明します。

税制適格スピンオフとは?

スピンオフとは、親会社が自社の一部事業を子会社化し、その子会社の株式を親会社の株主に無償で配布(割当)して分離・独立させる手法です。

税制適格スピンオフは、このときに「法人税・所得税を課税せずにスピンオフを実行できる特例」です。

どんなときに使われる?

  • コングロマリット(多角的企業)の事業の選択と集中
  • 会社分割・事業再編による企業価値の最大化
  • 資本市場における事業ごとの評価明確化

今回のフジテレビの場合、テレビ放送と不動産という性質の異なる2事業を分離し、それぞれに最適な経営判断をさせる意図と見られます。

メリット

  • 親会社にも子会社にも課税が生じない
  • 株主にもキャピタルゲイン課税が生じない
  • 分離された企業が自由に資本政策・経営判断を行える
  • 事業の透明性・評価が明確に

デメリット

  • 税制適格の要件が厳格
  • 子会社株を直接株主に割り当てるため、親会社の資産が減少
  • 経営のコントロールを手放すことになる

フジテレビの場合の想定シナリオ

  • テレビ放送事業:本体(フジテレビ)に残す
  • 不動産事業:新設子会社に移管し、スピンオフして上場または非上場のまま株式を親会社株主に分配

これにより、フジテレビは放送専業に集中し、資産として保有していた不動産の評価を市場で顕在化させる狙いがあると見られます。

既存の一般株主はフジメディアHDと不動産株の両方をゲット!

スピンオフ後の株主の保有イメージ

たとえば、フジテレビ(正確には「フジ・メディア・ホールディングス」)が不動産事業を分離し、新たに「フジ不動産(仮)」という会社をスピンオフするとします。

  • あなたがフジテレビ株を100株持っていた場合、
    • スピンオフ後もその100株は保有し続けられます
    • さらに、新会社「フジ不動産」の株式が、一定の比率で割り当てられます(たとえば「フジテレビ株1株につきフジ不動産株0.5株」など)。

株主にとってのメリット

  • 保有資産の実質的な増加:分離した不動産会社が独自に評価されれば、株主は2つの企業価値を享受できます。
  • 事業ごとの透明性向上:テレビ事業と不動産事業が別々に評価されることで、より適切な市場価値が反映されやすくなります。
  • 将来的な売却自由度:テレビ株と不動産株を別々に売却できるため、資産運用の柔軟性が上がります。

まとめ:会計と税制のことを考えた良い仕組み

AIさんの力を使ってまとめてしまいましたが、アーネストヤング監査法人のサイトにもわかりやすく記載されています。一言でいうと会社分割した後、分割した会社の売却益に課税されちゃうと法人税段階でお金をいっぱい持っていかれてしまうので、分割前株主には親会社と子会社の株式を両方とも割り当てることによって、どの主体においても課税されるのを防ごうという仕組みです。グッジョブbな仕組みですね。

スピンオフ税制の導入
スピンオフにより企業の機動的な事業再編を促進し、国際的な競争力を高めることを税制面からも後押しすべく、新たな税制適格組織再編成の種類としてスピンオフ税制が導入されました。

分割される不動産会社株式は上場することになりそうですね。名前はフジサンケイビルディングでしょうか。しっかりとした準備が必要となります。ここで岡村さんと菊岡さんの出番ですね!よく考えられた人選です。

もしもこの提案に、堀江さんが入ってしまうと、難色を示す大株主が出てくることを恐れたのでしょうね。今回の株主総会は北尾さんグループが取締役となるのを目標とし、フジテレビの経営者は堀江さんが出てくる熱い展開に期待したいものです。

ライブドア事件をリアルタイムで見ていた側としては、北尾さんはライブドア事件を「証券市場の清冽な地下水を汚す行為に義憤を覚えずにはいられない。」と表現しました。しかし結果として濁っていたのはフジテレビ側の地下水でした。堀江さんがフジテレビを抑えて今も上場会社の経営者であれば、日本の将来は変わっていたでしょうね。本当に残念です。

提言の武器「諷諌」とは―SBI HD 北尾吉孝
言葉のストックが豊富にあり、最適なタイミングで取り出せることを、教養というのです。

余談ですが大阪の梅田にあるブリーゼブリーゼはもっと力を入れてテナントを誘致してほしいと感じています。空いているのはもったいなさすぎる場所です。あのような一等地にカードゲーム屋さんとか誘致されていました。カードゲーム屋さんを否定するわけではないのですが、どれだけ家賃が安いのか不安になりました。

ちなみに、香港海鮮飲茶楼という中華料理屋さんがありますが、冷凍などではなく手作りしているそうなので、ランチの小籠包などどれも美味しいです。大阪に来られることがあればぜひ食べてみてください。

香港海鮮飲茶樓 梅田店
梅田ブリーゼブリーゼの中にある中華料理専門店【香港海鮮飲茶樓】。 梅田で飲茶、宴会、ランチなどの本格中華料理をリーズナブルに楽しめる 香港海鮮飲茶樓は最大62名様までの団体様の対応が可能です。

今日は北尾さんの会見です。ドラマのような展開に目が離せませんね!

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